最近の人たちが知らない、アマチュア無線(Ham)という趣味です。
ちょっと人に、自慢できる魅力のある趣味になります。
「アマチュア無線って面白いの。」
「部屋にこもって、なんか暗そうな趣味。」
「無線で何を話すの。」
アマチュア無線は、国家試験で資格を取得し、国の許可を受けてから
始めることができます。(政府のお墨付きがもらえる趣味です)
仲間も世界中にたくさんいます。
暗そうなイメージがありますが、実は屋外でピクニックのように
楽しんでいる方々が多いです。
無線で話す内容は、運用状況により雑談からリポート交換・コンテスト実施時など
色々なバリエイションがあります。
グループで、井戸端会議のように利用している方もいます。
国家試験と言っても小学生でも受かる人がいるくらいのもので、
年齢制限などの制限は、一切ありません。
私も中学生のころから始め、中断していた時期もありましたが、今も現役です。
何せ、アマチュア無線の免許証は終身免許ですから、死ぬまで有効です。
最近は、災害も多発しており、非常の場合の緊急連絡手段としての
役割も果たしてくれること間違いなし。
(携帯は中継器がやられたらそれっきりだし、電話線が切れたら電話もかけられません。)
第二級アマチュア無線技士資格の私が、アマチュア無線の趣味を始めるための
ノウハウを最初から、解りやすく紹介します。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
そして、Ham(アマチュア無線)仲間になって無線交信を楽しみましょう!
歴史的には、
歴史は古く、第二次世界大戦以前から、研究者の方々が無線機を自作して、
国の許可を受けて、無線で実験をしていました。
しかし、戦争がはじまると、スパイではないか等との疑いをかけられたり、
軍に無線機を没収されたりして、禁止されてしまいました。
戦争終了後、国際ルールにより、民間にアマチュア無線が認められて、無線の免許証と
日本のコールサイン(国際的な呼出符号)が付与されました。
昭和の後半にブームがありました。
流行した当時は、BCL(国内外のラジオ放送を聴いたりして楽しむ趣味)や、アマチュア無線を使ったスキー映画「私をスキーに連れてって」などがあり、かなりの市民権を得ていました。
今では携帯電話に駆逐されて「風前の灯」というのが現在の状況です。
何とか、人口を増やして絶滅を阻止したいと思い立ち上がりました。
アマチュア無線は、利用可能な無線の実証実験の場になっています。
それが無くなってしまうと、人類科学の大きな損失にもなりかねません。
「趣味の王様」と呼ばれていた趣味
高価な無線機やアンテナを自宅や車に備え付けて遊ぶ趣味で、当時は「キング・オフ・ホビー」と呼ばれていました。
また、限りある電波の周波数が与えられていると言う特殊性もあり、国家資格であるアマチュア無線技士の免許証が必要な趣味でもあります。
現在、色々な事情や携帯電話の普及などにより、アマチュア無線人口は激減しました。
コロナ渦でコミニュケーション・ツールとして減少が鈍化しましたが、年間約1万局のペースで
閉局される方がいるようです。
年齢比率的には、60代から80代が一番多く、高齢化が進んでいます。
ちょうど、無線ブームだった頃の人たちが、細々とつづけていて、若者が増えていないのが実情です。
ジジーは、徐々に死んで減っていきます。
アマチュア無線人口がゼロになるのも時間の問題かもしれません。
Z世代と呼ばれている現代の若者にアマチュア無線と聞くと、
「それは、何ですか。」
と返ってきました。
「無線の趣味なんだけど。」
と答えると、
「あ~いいです。携帯があるんで、必要ないです。」
との返事が返ってきました。
ここで、携帯電話と無線は別物だよと言ってやりたかったのですが、
その前に話が終わってしまいました。
携帯電話器と無線機どこが違う?
携帯電話は、話す相手を指定して相手の電話器に連絡をします。
それも、他の人に話の内容を聴かれることは、ほぼありません。
何か不具合が無い限り、ほぼ確実に繋がります。
アマチュア無線の場合、特定の相手を呼び出す場合もありますが、
ほとんどの場合、不特定多数のアマチュア無線家と交信することになります。
電波には、管理可能性が無いので、誰でもその周波数で、同一モードを受信することが
出来るならば、傍受(聴くこと)は可能です。
また、電波伝搬(電波の伝わり方)によって、必ず繋がるかどうかは分かりません。
そこが、面白いところになります。
通話や会話だけが目的ではないが・・・。
無線通信を通じて、電波伝搬(伝わり方)の楽しさを学ぶこともできますが、
それだけが目的ではないというのが、アマチュア無線です。
電波法的には、「アマチュア局とはアマチュア業務を行う無線局を言う」とのことです。
では、「アマチュア業務」とは何でしょう。
「金銭上の利益のためでなく、もっぱら個人的な無線技術の興味によって行う自己訓練、
通信及び技術研究その他総務大臣が別に告示する業務を行う無線通信業務を言う」
となっていて、営利目的(金儲けや営業目的のため)などでの使用は禁止されています。
トラックとかダンプの運ちゃんが、業務連絡などに使用したり、
無免許だったりと言う違法行為が、後を絶たないのも実情です。
総務省で取り締まりをしているのですが、無くなる気配はありません。
無線従事者免許を取得しよう。
電波と言う、限りある貴重な周波数帯を自由に使うためには、「ライセンス」いわゆる、
免許証(無線従事者免許証と無線局免許状)が必要になります。
ここでは、無線従事者免許証(以下、免許証とします)について書きます。
免許を取得するためには、国家試験を受験しなければいけません。
しかし、臆することはありません。
アマチュア無線4級ならば、法学と工学の2つのテストに60%以上の得点があれば、合格です。
難易度は、中学2年生程度の知識があれば合格できます。
この資格試験合格への近道もあります。
JARD(日本アマチュア無線振興会)等で、資格取得のための養成講習会が開催されています。
2日間の講習会に参加し、最終試験に合格すれば国家試験合格とみなされます。
講習会ですから、何も知識が無くても受講が可能です。
この他にも、eラーニングと言う方法もあります。
免許証を取得したら
免許証を取得したら、今度は無線局免許状(以下、免許状とします)が必要になります。
日本の免許制度は、包括方式ではないので、免許証を持っていても無線機に対する
免許状が必要になります。
ですから、免許証を取得したなら、直ぐに無線機も選定してください。
その無線機に対しての免許状の申請が必要です。
免許状は、5年間有効で、5年目期限の半年前までに再免許申請をしないと失効
してしまいます。
免許状に基づいて「コールサイン」が発行されます。
免許状は自動車で言う車検証みたいなもので、ナンバープレートが出るみたいなものです。
コールサインは基本的には世界に一つで、無線機は何台あっても同じです。
(例外で二つ以上のコールサインを持っている人もいます。)
申請は基本書面ですが、
最近はインターネットからも申請ができ、料金も書面より安く設定されています。
総務省電波利用申請・届出システムライトというものです。
その他に電波使用税が掛かります。(年間300円で、5年分一括払い可)
無線機選び(バンドの特徴)
アマチュア無線は、いろいろな周波数帯にバンドが割り当てられており、バンドの特徴により電波伝搬が異なることから、バンド選びがかなり重要になります。
あと、電波を出すには、無線機だけではなく、アンテナが必要です。
これも一緒に考えてみましょう。
電波帯には、長波・中波・短波・超短波・極超短波・超極超短波など広範囲にわたります。
この内、よく使われているのが短波(3MHz~30MHz)・超短波(30MHz~300MHz)と極超短波(300MHz~3000MHz)です。
短波帯
3.5MHz帯(3.8MHz帯を含む)
HF帯なのですが、中波帯の性質を併せ持つバンドです。
昼間帯は電離層D層の影響を受けるため、地表波に頼る伝搬のバンドです。
夜間帯になると、F層で反射され国内外の各地と交信が可能になります。
7MHz帯
比較的に電波状態が安定しているバンドです。
時間帯によっては、スキップ現象を起こし何も聞こえなくなることもありますが、安定していれば、国内だけではなく、思わぬ遠方からお声がかかることもあります。
21MHz帯
普段は、空電やノイズの影響を受け安いバンドですが、夏の時期になると、電離層のスポラディクE層と言う特別な電離層の活動により、海外まで強力に電波が届くことがあります。
24MHz帯
周波数が21MHzに近いので、ほぼ同じ現象が現れます。
28MHz帯
短波帯でも端っこの方なので、超短波の性質も併せ持ちます。
普段は見通し距離くらいしか伝搬しないのですが、Eスポ(スポラディックE層の事)の影響をもろに受けます。
条件さえ良ければ、世界中と交信が可能です。
超短波帯(電離層の影響を受けにくいバンド)
50MHz帯
電離層の影響を受けにくいとありますが、高密度の電離層「Eスポ」の影響を
もろに受けるバンドです。
周波数が高くなればなるほど電波の性質は光に近くなります。
144MHz帯
周波数が高くなると光に近づくということは、影ができるのと、反射や屈折と言う現象もみられるようになります。
また、季節の変わり目に、ダクトと呼ばれる現象により長距離通信が可能になることがあります。
極超短波帯
430MHz帯
電離層は突き抜けてしまいますが、反射や屈折現象を実感できるバンドです。
周波数が高くなるとアンテナも小さくなり、簡単に自作ができるようになります。
指向性の強いアンテナで宇宙まで電波を発信することも可能になります。
地域と予算次第で決定!
各バンドですが、地域によってアクティビティが違います。
アマチュア無線で1(ワン)エリアと呼ばれている、関東地方では比較的に運用局が多く、どの周波数帯でもアクティブに運用が可能ですが、地方のエリアになると周波数帯によっては相手が見つからない現象が発生します。
これを避けるために、HF帯、特に7MHz帯を運用できる無線機を用意することをお勧めします。
7MHz帯ならば、日本全国と繋がることが可能で、利用人口も多いのでおすすめです。
お勧めの無線機が、10万円+αくらいしますが、このすべてのバンドにエントリー
できる無線機がIC-705かFT-991ASになります。(現行の10Wの4級対応の無線機)
一例になるかも知れませんが、
私は、関東に住んでいるので、144MHzと430MHzが出られる、比較的に安い無線機から購入しました。
30年くらい前にアマチュア無線をしていたころは、HF無線機は
20万円以上するものばかりで、学生だった私には、買うことができませんでした。
かなり物価も上がりましたが、現在では技術の進歩もあり、
10万円前後で購入できるまで、値段が下がりました。
社会人になって、今では会社からリタイヤ(定年退職)しました。
その間、無線もお休みしていました。(定年後再開局!)
60歳で3級を取得し、さらに、61歳で2級を取りました。
退職金で、やっと念願のHF無線機を手に入れることができた次第です。
鬼嫁からは、冷たい目で見られていますが、「自己満足」ですかね。
免許状について
無線機が決まったら、直ぐに免許状を申請しましょう。
昨年(2024年)、電波法が改正されて従事者免許の申請と同時に、無線機が決まっていれば、免許状を申請できるようになりました。
そして、コールサインを取得すれば、級に関係なく、あなたは立派なアマチュア無線家です。
終わりに
私は、再開局組のアマチュア無線家です。
中学1年で、当時の電話級アマチュア無線技士(現4級)を取得。
戻ってきたら、アマチュア無線が絶滅の危機にさらされているとは、・・・。
これからも、皆様のために、日夜努力し、アマチュア無線の普及に努め、
社会全体の役に立つ働きをしていきたいと思います。
皆さんのご活躍を心から、期待しています。
お疲れさまでした。